ウフィツィ美術館からアルノ川の対岸まで続く空中回廊は、いまは予約制の特別なチケットで見学できます。条件と注意点を、公式の規則をもとにまとめました。

ヴァザーリの回廊(Corridoio Vasariano)は、フィレンツェの中心部に16世紀に作られた、屋根付きの空中の通路です。ヴェッキオ宮殿とアルノ川の対岸のピッティ宮殿を結び、途中でウフィツィ美術館の建物を通り抜けます。設計したのはジョルジョ・ヴァザーリで、名前はそれに由来します。
英語版ウィキペディアによると、コジモ1世は1564年にヴァザーリへ建設を命じ、工事は、息子フランチェスコの結婚式が行われた1565年に間に合うよう、5か月で行われました。大公が人目にふれず、安全に2つの宮殿を行き来するためで、不安定な政情の中で統治していたコジモの警戒心が背景にあるとされます。
回廊の長さは、公式サイトのページによって「約750メートル」「約1キロメートル」と異なる表記があります。出口のボーボリ庭園からピッティ宮殿までの約100メートルを加えた数字が後者と考えられますが、当サイトでは「750メートルから1キロメートル」とします。
英語版ウィキペディアによると、回廊は、第二次世界大戦中の1943年のフィレンツェ爆撃で損傷し、1966年のアルノ川の大洪水でも大きな被害を受けて、大規模な修復が必要になりました。修復を終えた回廊は、1974年に一般公開されています。その後、2016年に閉鎖され、さらに修復されて、現在の予約制の見学になりました(公式)。
メディチ家が使った通路だったことから、一般の見学者が自由に歩ける場所ではない、という性格が今も残っています。見学が少人数の組に分かれ、職員が同行し、途中で立ち止まれない決まりになっているのも、そのためと考えられます。
公式サイトは、回廊が2016年に安全基準を満たすため閉鎖され、全面的に修復されて、現在は特別チケットで再び見学できると説明しています。公式の料金表には、「2024年12月21日から」有効という追加料金の記載があり、この時期に再開したことがうかがえます。
2026年10月の時点でも、公式の「ヴァザーリの回廊」ページで、予約制の見学として案内されていました。ただし、運用は変わることがあるため、訪問前に最新の案内を確認してください。
| 項目 | 内容(公式) |
|---|---|
| 入場の前提 | ウフィツィのチケットに回廊の追加が必要。回廊のみのチケットはない |
| 開催日 | 火曜〜日曜。最初の組は10:15、最後の組は16:45に出る |
| ウフィツィの入館 | 回廊の入場の2時間前 |
| 所要時間 | 約45分。立ち止まる見学は不可 |
| 集合場所 | ウフィツィ1階のD19室。5分前までに集合 |
| グループ | 25名まで、公式の職員が2名同行。ガイド説明はなし |
一方通行の見学で、ウフィツィへは戻れません。出口はボーボリ庭園側のブオンタレンティの洞窟で、そこからピッティ宮殿の中庭(アンマンナーティの中庭)へ案内されます。5分前の集合に遅れると、入る権利を失います。
2026年10月に公式サイトで確認した例です。購入前に最新の料金を確認してください。
| 種類 | 料金の例 |
|---|---|
| ウフィツィ+回廊(当日購入) | 43ユーロ |
| ウフィツィ+回廊(事前購入) | 47ユーロ |
| 金曜夜の回廊(当日購入) | 20ユーロ |
| 金曜夜の回廊(事前購入) | 24ユーロ |
| 5日間共通券+回廊 | 58ユーロ |
| 共通券・年間パスの追加料金 | 20ユーロ |
チケットは氏名入りで、譲渡と返金はできません。一度の購入は5枚までです。割引の対象者は2ユーロの追加で、無料の方は無料です。
公式の回廊のページによると、2026年7月3日から11月20日までの期間は、毎週金曜日の19時から23時まで、夜の特別開館があります(最終入場は21時50分)。同じ期間のイベントの案内にも、「金曜夜の開館」として掲載されていました。この夜間の見学は、昼間とは別の料金が設定されています。
夏から初冬にかけての旅行では、昼の見学と夜の見学のどちらが合うかを、日程と合わせて選べます。期間や条件は変わることがあるため、公式の最新ページで確認してください。
預けた荷物がある場合は、ピッティ宮殿の出口からヴィア・グイッチャルディーニを通ってヴェッキオ橋を渡り、ウフィツィの広場へ戻る道順が、公式に示されています。
回廊に入る前に、ウフィツィ美術館を見る時間が必要です。回廊付きのチケットでは、ウフィツィへの入場が回廊の2時間前から可能で、予約の時間枠は、ウフィツィの入館枠から30分以上あけるよう公式が注意しています。ウフィツィの見学を急ぎ足にしないため、ウフィツィの入館を早めに、回廊の時間は余裕のある枠にするのが安心です。
ウフィツィの基本情報はウフィツィ美術館のページ、チケットの種類はチケット予約ガイドで説明しています。
公式サイトは、修復を終えて、現在は予約制の特別チケットで見学できると案内しています。最新の運用は公式で確認してください。
ありません。ウフィツィの入場券に、回廊の見学を加える形です。金曜夜の見学は別料金で設定されています。
回廊の見学は約45分です。ウフィツィの見学は、その2時間前から入館する必要があります。
ウフィツィ美術館1階のD19室に集合し、そこから入ります。見学時間の5分前までに集合します。